MDREXは2026年10月26日、医療機器産業分野における専門的な規制・法務サービスの提供に向け、法務法人 大陸亜洲(D&A LLC)と業務提携に関する覚書(MOU)を締結しました。本覚書により、両者は医療機器・体外診断用医療機器・デジタル医療製品を扱う企業が韓国および海外市場へ進出する過程で直面する規制・法務上の課題を総合的に支援する協力体制を構築しました。医療機器企業が製品を市場に投入し、事業を拡大するためには、薬事承認等の取得、GMP、保険収載、流通など、さまざまな規制要件を満たす必要があります。また、その過程では、契約締結、薬事承認等に係る権利の管理、法令遵守、行政処分および紛争など、多様な法務上の課題に直面する可能性があります。
そこで、MDREXの医療機器規制・保険収載・市場参入に関する専門性と、法務法人 大陸亜洲の法務に関する専門性を組み合わせることで、企業が複雑な規制・法務上の課題に、より体系的かつ効率的に対応できるよう支援します。
本ニュースレターでは、両者の主な協力分野とともに、医療機器企業が実際の事業活動において、これらの専門サービスをどのように活用できるかを具体的にご紹介します。
締結式は10月26日、ソウル市江南区テヘラン路のドンフンタワー20階にある法務法人 大陸亜洲の大会議室で開催されました。両者は、医療機器産業における法務サービスと薬事コンサルティングサービスを一体的に提供するため、次の3分野で協力することに合意しました。
① 海外医療機器企業の韓国進出支援(インバウンド)
② 韓国医療機器企業の海外進出支援(アウトバウンド)
③ 韓国および海外市場への進出に向けた共同マーケティング
医療機器企業が製品を開発し、市場に参入する過程では、規制上の課題と法務上の課題が密接に関連しています。例えば、海外の医療機器を韓国に導入する際には、食品医薬品安全処(MFDS)の許可を取得するだけでなく、誰がその許可に係る権利を保有するか、流通契約の終了時にその権利や関連資料をどのように取り扱うかなどを事前に検討する必要があります。また、保険収載の過程で予期しない問題が発生したり、医療機器の広告・営業活動が関連法令に違反したりした場合、行政処分や法的紛争につながる可能性があります。
このように、規制要件の充足と事業上の法的リスクの管理は、個別の業務としてではなく、併せて検討すべき重要な経営課題です。しかし、企業が規制コンサルティング会社と法律専門家にそれぞれ助言を求める場合、異なる検討結果を調整するために追加の時間や費用が発生することがあります。今回の業務提携覚書(MOU)により、MDREXは医療機器の薬事承認等の取得、GMP、保険収載および市場参入戦略を立案する段階から法務法人 大陸亜洲と協力し、関連する法務上の課題まで総合的に検討できる体制を整えました。これにより、お客様は規制対応の専門性と法的安定性を併せて確保し、事業推進の過程で生じ得るリスクを事前に把握して、より効率的な意思決定を行うことができます。
医療機器企業は、製品開発から薬事承認等の取得、保険収載、流通、海外市場への進出に至るまで、さまざまな規制・法務上の課題に直面します。特に、事業の初期段階で規制要件や契約上の権利・義務を十分に検討しなかった場合、将来の市場参入の遅延や、予期しない費用・法的紛争につながる可能性があります。MDREXと法務法人 大陸亜洲は、以下のような状況にある医療機器企業に対し、規制・法務分野の専門性を組み合わせたサービスを提供します。
① 海外医療機器の韓国での輸入・販売、または韓国子会社の設立を進める企業
海外医療機器を韓国で輸入・販売する場合や、海外製造業者が韓国市場に直接進出する場合には、医療機器の薬事承認等の取得、KGMP、保険収載および流通戦略だけでなく、事業構造や関連契約についても法務面から検討する必要があります。韓国の輸入・流通企業が海外製造業者と独占販売契約を締結する際には、製品の供給価格や販売権に加え、韓国の許可に係る権利の保有主体、許可および保険収載に関する権利の移転条件、契約終了時の事業継続性などを事前に明確にする必要があります。特に、韓国企業が多額の費用を投じて薬事承認等の取得と保険収載を完了した後に、製造業者との契約が終了したり流通企業が変更されたりする場合、許可に係る権利の移転、技術資料の利用、在庫処理、既存取引先の管理などを巡って紛争が発生する可能性があります。
一方、海外製造業者が韓国子会社を設立し、医療機器の輸入・販売・流通事業を直接運営する場合には、韓国での法人設立、医療機器輸入業許可、品目ごとの薬事承認等、KGMP、保険収載および流通体制の構築などを総合的に準備する必要があります。その過程では、子会社の事業構造、投資・運営契約、海外本社と韓国子会社間の取引構造および法的責任も併せて検討する必要があります。
② 韓国市場への直接進出を目指す海外医療機器製造業者
海外医療機器製造業者が、従来の韓国代理店を通じた輸入・販売から、韓国子会社を設立して直接事業を運営する形態へ移行する場合、単なる法人設立にとどまらず、既存代理店が保有する医療機器の許可に係る権利、保険収載上の地位、流通契約および関連する権利・義務の移転を総合的に検討する必要があります。特に、既存代理店名義の医療機器の許可・認証・届出を子会社に移転する過程では、許可に係る権利の譲渡・譲受手続、KGMP適合認定および品質管理体制の継続性、治療材料の保険収載上の地位を承継できるかどうか、償還上限額および価格交渉の問題などを事前に確認する必要があります。既存代理店との契約終了条件や事業移転条件によっては、追加費用や紛争が発生する可能性もあります。また、韓国の医療機器法に基づく営業または品目許可等の地位承継に際しては、既存代理店の行政処分歴、進行中の調査・処分手続、市販後安全管理義務および法的責任の承継の有無に関するデューデリジェンスが重要です。これらを十分に検討しなければ、子会社設立後に予期しない規制上の義務や法的リスクを負う可能性があります。
③ 米国・欧州・日本などへの海外進出を準備する韓国医療機器企業
韓国の医療機器企業が米国、欧州、日本などの海外市場に進出するためには、各国の医療機器関連法令に基づく薬事承認等、品質管理および保険収載の要件を満たし、現地代理人の選任や流通契約など、事業運営に必要な法務事項も併せて検討する必要があります。特に、規制当局や保険制度は国によって異なるため、製品の特性と事業目標に合った市場参入戦略を立案することが重要です。
こうした政府機関の調査や行政処分に効果的に対応するためには、法令の解釈に加え、医療機器産業の規制体系、製品の技術的特性、薬事・保険制度、実際の流通・営業構造への理解も必要です。
⑤ 健康保険の診療報酬引下げや給付基準の変更など、政府の保険政策への対応が必要な企業
医療機器および体外診断用医療機器を扱う企業は、MFDSの薬事承認等を取得し、健康保険への収載を完了した後も、政府の健康保険政策の変更、医療行為の診療報酬引下げ、治療材料の償還上限額の調整、給付基準の変更などにより、製品の市場性や事業収益性に重大な影響を受ける可能性があります。特に、韓国で最近議論されている検体検査の診療報酬引下げのように、特定の医療技術や産業分野に直接影響する健康保険政策の見直しは、医療機器企業の売上減少だけでなく、研究開発投資、製品供給、医療サービスの質にも影響を及ぼす可能性があります。こうした政策変更に対応するには、保険償還額の適正性を検討するだけでなく、政策決定の根拠・手続、臨床的・経済的影響、関連法令、利害関係者の権利・利益が侵害される可能性などを総合的に分析し、政府機関への意見提出から法的対応まで、体系的な戦略を立案することが重要です。
⑥ AI医療機器・デジタル医療製品の開発・事業化を目指す企業
AIを活用した診断・治療ソフトウェアやデジタル医療製品を開発・事業化するためには、韓国のデジタル医療製品法および医療機器関連法令に基づく薬事承認等、臨床性能評価、サイバーセキュリティ、市販後安全管理、健康保険適用の可能性などを総合的に検討する必要があります。特に、AI医療機器の開発と臨床的検証の過程では、医療機関が保有する患者の診療記録、医用画像、検査結果、ゲノム・遺伝情報など、機微性の高い医療データの収集・利用・提供・管理が重要な法務上の論点となります。こうした医療・遺伝情報を研究開発、AI学習、臨床試験、製品性能の改善などに利用する場合には、韓国の個人情報保護法、医療法、生命倫理及び安全に関する法律などの関連法令に基づく適法なデータ利用の根拠、情報主体の同意の要否、仮名化・匿名化の適正性、第三者提供・国外移転の可否などを事前に検討する必要があります。
特に、仮名情報と匿名情報では法律上の取扱基準が異なり、仮名化したという理由だけで、あらゆる商業利用や第三者提供が認められるわけではありません。医療機関と企業間のデータ提供契約、再識別リスクの管理、クラウド環境での情報保護、データ漏えいに伴う法的責任なども併せて考慮する必要があります。
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